M@Mはなぜ北加賀屋にできたのですか?

M@Mがオープンするのは、大阪市住之江区の北加賀屋という町です。大阪湾にほど近く、かつては多くの造船所があって賑わいを見せたこの地域は、1980年代から次第に活気を失っていきましたが、2004年に名村造船所跡地が近代化産業遺産に指定されたのをきっかけに、芸術・文化の発信地として活用する取り組みが始まりました。2009年には「北加賀屋クリエイティブ・ビレッジ構想」がスタート。アーティストやクリエイターたちの活動拠点となっています。

森村泰昌との縁も深く、初の長編映画《「私」と「わたし」が出会うとき—自画像のシンポシオン—》(2016年)での撮影にあたって、北加賀屋のいくつもの場所がロケ地となりました。また、この映画が初公開された国立国際美術館での個展「森村泰昌:自画像の美術史—「私」と「わたし」が出会うとき—」と同時期に、北加賀屋の名村造船所跡地にある「クリエイティブセンター大阪」では、「森村泰昌アナザーミュージアム」と題して、映画で用いたセットや小道具などを展示する展覧会(主催:NAMURA ART MEETING ’04-‘34実行委員会)も行われました。

そしてこのたびオープンするM@Mは、名村造船所跡地をはじめ周辺土地を所有・管理する千島土地株式会社から展示場所をご提供いただくほか、建物の改修費や今後の運営経費についても多大なご協力を賜っています。